黄色い手帖と白い世界 赤いギターと黒い船

少しだけ 背中をおせる 物語

【ベンチプレスのやり方】赤鬼トレーニング

「よっしゃあ!では今日も始めようか!」

 

夕食後、鬼ヶ島。トレーニングルームの事を鬼ヶ島呼ぶ事にした。我ながらいいネーミングだ。

 

「イエロウ!今日は胸のトレーニングをするぞ!」

 

「オッケーだ。」

 

「ところでお前は胸のトレーニングと言えば何を思い浮かべる!?」

 

「そうだな。まず『ベンチプレス』だな。多分筋トレをやってない人でもトレーニングの種類としては知ってる人が多いだろうし。」

 

「そうだな!ベンチプレスやダンベルカールは興味が無い人でも筋トレと言えばこれ!と思い浮かべるだろう!」

 

「だが有名な分!間違った知識が世間に広がっている部分があるのだ!」

 

「間違った?」

 

「そうだ!イエロウ!お前はトレーニング経験者だ!トレーニングについても自分なりに調べて実践していただろう!?だから『ベンチプレス』を胸のトレーニングだと認識できている!」

 

「しかし!世の中には『ベンチプレス』は腕を鍛えるものだ!と思っている人が意外といる!」

 

「あぁ、確かにそうかもしれない。俺も最初はそう思ってた。」

 

「そうだろう!しかも腕と言えば上腕二頭筋!いわゆる力こぶを鍛えると思っている!これはプッシュアップ(腕立て伏せの事)でも同じ誤解が生まれているのだ!」

 

「ベンチプレスもプッシュアップも種類は多岐に渡る!それぞれ負荷を掛ける部位や筋肉への刺激を少しずつ変える方法があるが!基本的にメインターゲットは胸だ!」

 

「もしも力こぶを大きくしたいなら!ダンベルカールはオススメだ!片手にダンベル(あるいは別の重り)を持って前腕を上下させる事で上腕二頭筋に刺激を与える方法だ!いわゆる筋トレと言えば思い浮かべるのはこれが多いだろう!しかしながら!俺のように美しい体をまず目指すのならば!見た目にしっかりと現れる胸の筋肉を刺激して大きくするのが近道なのだ!」

 

「その為の代表的なトレーニングがベンチプレスやプッシュアップだ!中でもバーベルを用いた『バーベルベンチプレス』は胸の筋トレにおいてエース級のトレーニングと言える!」

 

「先ほども言ったように!一口にベンチプレスと言ってもその種類は沢山ある!フラットベンチプレス!インクラインベンチプレス!デクラインベンチプレス!これらをバーベルで行う場合!さらにワイドグリップ!ナローグリップ!と持ち幅を変える事もある!また!ダンベルを用いて行う事も可能だ!」

 

「だが今日は先ず!バーベルを用いたフラットベンチプレスをやっていく!トレーニングをするならばその種類を問わず正しいフォームが要求される!何事も最初が一番肝心なのだ!よって!もっともスタンダードなフラットベンチプレスで正しいフォームを身につける事から始めるぞ!」

 

「なるほどな。俺も独学でやってたから助かるよ。よろしく頼む。」

 

「では先ずベンチに寝転んでみろ!そのベンチは角度を調整できる!先ほど紹介したインクラインやデクラインといった角度を設定できる!が!先ずはフラットだ!ベンチの角度は水平でよし!脚は床に!仰向けでお尻から上半身をベンチに倒す!」

 

「そしてここからが大事だ!寝転んだ状態で先ず背中に意識を向けて肩甲骨を寄せるんだ!肩甲骨で物を挟むようなイメージだ!そうすると自然に胸を張る姿勢になる!背中とベンチの間にアーチを描くのだ!ベンチと接するのは首のつけ根!尾てい骨の下あたり!脚は少し手前に引くようにし!足裏全体を接地しながらも!つま先側に半分に力が入るように!これが基本姿勢だ!重量を挙げつつ胸の筋肉にしっかりと効かす事が出来るぞ!」

 

「そしていよいよバーベルを握る!この時!手の親指と人差し指の間から手首の真ん中に掛けてバーを通すように握ると手首への負担を軽減できるぞ!手を開く幅は肩幅より少し広いぐらいから始めてみる!バーベルを持ち上げたら肩のラインより少し下側にセット!脇は広げずに胴から45度程度の角度で!バーベルはみぞおちの辺りに下げていく!バーベルを胸につける辺りまで下げたら元の位置に挙げる!この時!肘は伸ばしきらない事!伸ばしきると負荷が逃げてしまうからな!これがスタンダードなベンチプレスのやり方だ!」

 

「オッケーだ。やってみる。」

 

・・・ふぅ。

 

「なんとなくフォームに違和感を感じるんだが。」

 

「そうか!ではフォームを確認するいい方法を教えてやる!イエロウ!一度立ってみろ。」

 

よいしょ。

 

「ほい。」

 

「今から俺と手押し相撲をやる!俺の正面に立て!」

 

「は?」

 

「いくぞ!うおりゃ!」

 

「うお!?」

 

大人2人で手押し相撲。なかなかシュールな絵がそこにあった。

 

「がはは!俺の勝ちだ!」

 

「この馬鹿力が!」

 

結構楽しかった。

 

「分かったか!?これがお前にとってのベンチプレスの正しいフォームだ!」

 

「いや全く分からん。」

 

「今お前が俺の手を押そうとしたフォームだ!人間というのはとても効率的な生き物だ!自分の骨格や筋肉に合わせて最適な動作を体はしようとする!お前が俺の手に向かって自然に構えた腕の高さや押し引きする動作がお前にとっての最適なフォームなのだ!」

 

「そういう事か。なるほど。」

 

「これをベンチに寝転んだ状態でやればいい!ただし!最初に教えた基本姿勢を保った上でだ!」

 

「最初はバーを持たずに動きだけを確認するといい!確認が出来たら重りをつけずにバーだけで確認だ!そのまま10〜15回ほどフォームが固まるまでバーだけで動作を行う!フォームの確認とともにウォームアップも出来て一石二鳥だ!」

 

「なるほどな。やってみる。」

 

・・・ふぅ。

 

「確かにやりやすい。これはいいな。」

 

「そして重りをつけて限界までやり抜く!これでオッケーだ!」

 

「分かった。フォームは理解できたが、重量や回数はどう設定すればいい?」

 

「まずは1セットで10回がぎりぎり出来る重量を設定すればいい!それを3セット行う!人によっては最大筋力を上げたいなどトレーニングの目的によって重量や回数を変える事もあるが!筋肉の大きさ!強さを効率よく上げていくにはこの回数が最適だ!」

 

「そして大事なのはぎりぎり10回が出来るかどうか!といった部分だ!簡単に出来てしまえば重量不足!逆に全然届かないようなら重すぎるという事だ!筋肉にしっかりと刺激を与えて!もうこれ以上は出来ないところまで追い込む事が重要だ!」

 

「よし。じゃあまずは少しずつ重量を上げてそのラインを見極める事から始めるか。」

 

「うむ!」

 

今日の日記

ベンチプレスのやり方

  • 肩甲骨を寄せる。物を挟むイメージ。
  • 胸を張って背中にアーチを作る。
  • ベンチに接するのは首のつけ根と尾てい骨の下あたり。
  • 脚は少し引き気味にする。
  • 足裏全体を接地するが、つま先側半分に力を入れる。
  • バーベルを握る時は親指と人差し指の間から手首の中心にバーを通す。
  • 手を広げる幅は肩幅より少し広いぐらい。
  • バーベルを持ち上げたら肩のラインより少し下の位置にセットする。
  • 脇は広げず、胴から45度程度の角度で。
  • バーベルはみぞおちの辺りに下ろす。
  • 胸につく辺りで止め、挙げていく。
  • 挙げる時は肘を伸ばしきらない。
  • フォームが安定しない場合は手押し相撲で手を押し出す形にすると自然なフォームになる。
  • ベンチに寝転んだ状態で基本姿勢を作り、エア手押し相撲でフォームを思い出す。
  • 重り無しでバーのみを上げてフォームを固める&ウォームアップ。
  • 重量はぎりぎり10回を上げれるぐらいにセット。
  • 重量セットが出来たら10回を3セット行う。

 

おわり。